不動産鑑定士とは

不動産鑑定士とは

不動産鑑定士とは不動産の価格及び適正な利用についての専門家であり、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき不動産の鑑定評価を行うことができる唯一の国家資格のことで、不動産市場を支える重要な役割を担っており、広く公共団体や民間のニーズに応じて日々の業務を行っています。
そもそも不動産の鑑定評価とは?
不動産鑑定士によって、不動産の価格や賃料などの経済価値を総合的に評価することをいいます。価格の評価手法は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3種類があります。賃料は新規賃料と継続賃料に分け、それぞれ複数の手法を駆使して評価します。その上で「不動産鑑定評価基準」及び「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項」に基づき鑑定評価書が作成されます。
仕事の内容は?
仕事の内容は大きく分けて2つあります。
(1)不動産鑑定業務
公共機関・個人・不動産会社・銀行等の金融機関・投資法人等からの依頼に応じて不動産の鑑定評価を行います。
(2)コンサルティング業務
不動産の専門家として、個人や企業を対象に不動産の有効活用・相続税・不動産開発等に関するアドバイスやカウンセリングを行っています。
不動産鑑定評価書が利用される場面
具体的には次のような場面で鑑定評価書が利用されます。
○売買の参考のため
不動産の売り手や買い手が適正価格を知るための参考資料として鑑定評価書が利用されています。
○相続で適正な価格が必要なとき
相続に際し、不動産の適正な価格を明確にし、公平な財産分配をするための参考資料として鑑定評価書が利用されています。
○不相応な賃料を改定するため
近年、不相応な地代や家賃の改定を巡り、いたるところで紛争が起きています。適正な地代・家賃水準へ改定し、紛争を解決するため鑑定評価書が利用されています。
○不動産担保のため
銀行を始めとする金融機関が不動産を担保として融資する際に鑑定評価書が利用されています。
○土地収用の際の補償のため
都道府県や市町村が道路の拡幅・改修等を行う場合などで用地の買収を行いますが、その際買収する不動産の適正な価格を知るために鑑定評価書が利用されています。
○競売、公売等にかかる評価
裁判所や公的機関が実施する競売・公売における最低売却価格の決定に鑑定評価書(鑑定書)が利用されています。
○固定資産税評価替え
全国の市町村が3年に1度固定資産税課税のための見直しを行いますが、その際に鑑定評価書が利用されています。
○相続税路線価の評価
国税庁が毎年行う相続税路線価の評価に鑑定評価書が利用されています。
○公示価格、基準地価格の評価
国が実施する地価公示、都道府県が実施する地価調査で不動産鑑定士が鑑定評価を行っています。地価公示や地価調査の概要に関してはそれぞれ国土交通省・各都道府県のホームページをご覧下さい。
国土交通省(http://www.mlit.go.jp/)
不動産鑑定士の活躍するフィールドは?
現在不動産鑑定士は不動産に関する高度な知識を有する専門家として各種金融機関(信託銀行・証券会社・生保・損保等)、不動産会社、投資法人などでニーズが高い状態となっています。金融業界、不動産業界への転職・企業内でのキャリアアップには非常に有利な資格といえるでしょう。
もちろん、不動産鑑定業者として登録をすれば、独立開業をすることもでき、努力次第で高収入を目指すことも可能です。他の資格業と比較しても独立のしやすい業種と言われています。
不動産鑑定士になるには?
このように活躍の幅が広く、社会的なニーズも高い不動産鑑定士ですが、取得にはこれまで三段階(1次~3次)の試験に合格しなければならず、さらに3次試験の受験には3年間の実務経験も必要とされていたため最低でも4年近くは費やさなければなりませんでした。
しかし、平成18年度からは試験制度が簡素化され、試験(択一・論文式)に合格し、一定の実務修習を経たあと不動産鑑定士に登録することができるようになりました。また受験資格もなくなり、誰でも挑戦することが可能となりました。
試験制度並びに実務修習についての詳細は公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会のホームページを ご覧下さい。
公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/)
ただ、不動産鑑定士は現状において難易度の高い試験となっており、独学ではなかなか取得が難しいのが現状です。受験ノウハウが集積する各種予備校にて受験対策講座等を受講する必要があるでしょう。自分にあった予備校選びも資格取得の重要なプロセスです。
代表的な予備校は以下の通りです。無料公開講座を実施している学校もあるので、問い合わせしてみると良いかもしれません。
LECへのリンク(http://www.lec-jp.com/kanteishi/
不動産鑑定士受験に役立つサイト
さらには不動産鑑定士受験に役立つさまざまなホームページがあるので、覗いてみると参考になります。
不動産鑑定士試験合格ネット(http://kanteisi.putilife.net/
不動産鑑定士seek(http://rea.shikakuseek.com/
@不動産鑑定士資格情報(http://fudousan.shikakujoho.com/
生の声を聞いてみる
また、茨城県不動産鑑定士協会では、年に2回所属鑑定士による無料相談会も行っていますから、実際の実務がどのようなものか生の声をいろいろ聞いてみるのも良いかもしれません。
無料相談会については茨城県不動産鑑定士協会からのお知らせをご覧ください。

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